古見さんは4コマ漫画を変えるか

「古見さんは、コミュ症です。」という漫画をご存知ですか?

少年サンデーで連載している4コマで,ジャンルは学園コメディー.

現在17巻まで発売されている人気作品です.実は私もこの作品が大好きなんですよね!

しかし,4コマファンの間でこの作品が語られることはほとんどないように思えます.

もしかしてイマイチ知名度がないのか?

よーし,それならおじさんが古見さんの面白さを語っちゃおう.

<ストーリー>

古見さんは誰もが振り向く絶世の美少女.しかし彼女は学校で一切喋ることがない.なぜなら彼女は極度のコミュ症だったから.

彼女は孤独だった.『本当はお話がしたい』『友だちが欲しい』

そんな古見さんの秘密に,ただ一人,気付いた人がいた.平々凡々なクラスの男子,只野くん.

只野くんは筆談を通して古見さんの悩みを知り,彼女の最初の友達になった.

只野くんとの出会いによって,その後の古見さんの日常はどんどん賑やかになっていく.

 

<ギャグ>

若干のシリアス要素はありますが,本作はギャグ漫画と言っていいでしょう.

それも無茶苦茶面白いです.本当に声を上げて大笑いしまうほど!

ギャグのテンポが最高で気持ちいいんです!

個性的なキャラクターがたくさん登場するんですが,みんなキャラが立ってて素晴らしい.

ヤンデレの山井さんが登場する話なんか特に面白くて好きですね.

(古見さんのパンツが見たい... 外は雨上がりのグラウンド... ハッ!!!) みたいな.

 

<恋愛>

ギャグばかりではなくて恋愛要素も見どころです.

古見さんは只野くんことが好きになっていくんですが,それはすごく説得力があると思うんです.

只野くん,むっちゃええ人ですもの.古見さんが惚れるのも当然ですよね.

最初は恋心を自覚していなかった古見さんですが,修学旅行イベントでついに自覚します.

(修学旅行で初登場する二人が,これまたいい子なんだよ)

その後の展開は,ぜひ読んで確かめていただきたい!

 

<古見さんは4コマ漫画なのか>

本作は,ワイド4コマの形式が主ですが4コマ形式になっていないページも多いです.

体感で4コマのページが6割くらいでしょうか.

古見さんが4コマファンにあまり語られない理由が,ここにあるような気がします.

「古見さんは4コマ漫画とは言えない」そういう人もいると思います.

しかし私は,古見さんは革新的な4コマ漫画だと評価しています.

普通の4コマ漫画は,コマのサイズは均一になっています.

ところが古見さんではコマ割りが不均一であり,コマの大きさで抑揚が表現されています.

さらに,ワイドなコマの使い方も秀逸です.横幅を使って,キャラの動きがよくわかるように工夫しているんです.

リレーで古見さんが前のランナーを追い上げるシーンなんて,すごい迫力ですよ!

 

古見さんを読んでいると,4コマ漫画の新時代を感じます.

4コマ形式にこだわらない4コマ漫画というのは,古見さん以外にも最近増えてきています.

コミックキューンは特に顕著で,ここ数年は4コマ形式でないページの方が多いんじゃないかと思うほど.

それが古見さんの影響だとは思ってませんが,現在の不定形4コマの代表選手は古見さんで間違いないんじゃないかと思うわけです.

 

<少年サンデーで連載しているということ>

古見さんが他の4コマ作品と一線を画しているのは,少年サンデーで連載していることが大きいんじゃないかと思います.

これまでのスタンダードな4コマ形式にとらわれないのは,4コマ専門誌ではないサンデーだからこそできたのかな,と.

少年サンデーでは従来4コマ漫画は連載していませんでした.

しかし古見さんが始まる前に,珍しくサンデーで4コマ漫画が連載されたんですよね.

この作品はスタンダードな4コマ形式でした.

具体的な作品名は控えますが,正直この作品はこれといった特徴がなかったんです.(引き合いに出してしまって申し訳ありません)

あのときは,「サンデーには4コマ漫画のノウハウがないから仕方ないなあ」なんて思っていたわけですが...

まさか4コマ漫画のノウハウがないことを逆手に取って,こんな傑作が生まれることになるとは!

 

・・・よし,思いつくままに語りました.

私は好みは人それぞれだと思ってるし,自分の好きな作品を無理やり他人に薦めたくはないです.

でも,私の文章を読んで少しでも気になった人は,是非古見さんを読んでもらいたいな.