明けましておめでとうございます.今年も本サイトをどうぞよろしくお願いします.
年初なので今年の目標を書こうと思ったのですが,それよりも書きたいことがあるのでそれは次回に回します.
今年最初のブログでは,藤木俊先生の読み切り4コマ,透視・ミーツ・ガール!の感想を書かせていただきます.
藤木先生は,2年前まで週刊少年サンデーではじめてのあくという学園コメディを連載されていました.
この作品は4コマではありませんが,私が大好きな作品のひとつです.
実は以前,このブログでも本作を紹介させていただきました.(リンク:当時のブログ)
その藤木先生が,久々にサンデーに帰ってきてくれました!しかも4コマ作品で登場です!
藤木先生は過去作でもコミックスのおまけで4コマをよく描いていらっしゃいましたし,ぜひ藤木先生には4コマ作品を描いていただきたいと思っていました.まさかそれが実現しようとは!
今回の作品,透視・ミーツ・ガール!が掲載されたのは,去年12月の上旬でした.
しかし私は最近サンデーを読んでいなかったので,藤木先生の作品が掲載されていたことをつい先日まで知りませんでした.
そして急遽古本屋でサンデーを購入し,今更ながら透視・ミーツ・ガール!を読むことが出来ました.
それでは,本作のあらすじと感想です.
[あらすじ]
高校生の桂木さんは,学力でトップに立つことに執着するクセモノ女子.
ですが,転校生の志藤君に学年1位の座を奪われてしまいます.
桂木さんは志藤君に突っかかっていきますが,そのうちに彼が透視能力を持っていることを知ります.
なんだかんだで距離を近づける二人.そんなある日,桂木さんが学校の図書室に取り残されてしまう事件が発生して...
[感想]
前作の”はじあく”同様,今作も学園モノでした.というか,はじあくと同じ高校が舞台なんですね.
藤木先生には学園モノのイメージが強いので,その点では安心して読むことが出来ました.
最重要キャラであるクセモノヒロイン桂木さんがとても良かったです!
ガリ勉だけど子供っぽくて憎めないところとか,ちょいちょい可愛い顔を見せてくれるところに惹かれます.
特に225ページ右4コマ目の「ざまあ!」の顔なんか好きですね~
私ははじあくのヒロイン,キョーコが大好きでしたが,彼女も相当クセモノでした.
こういうクセモノヒロインは,やっぱりオタク(非モテ)の人からの支持が高いんですかね?
透視能力を使うと代償として鼻血が出るという設定をどう活かすのかな?と思っていましたが,236ページの大コマで魅せてくれました!桂木さんを助けるために能力を使い果たし,それでも平静を装う志藤君のかっこよさが伝わってきました.
だからこそ,238ページから239ページにかけての回想シーンは不要だと思いました.このシーンがなくても読者には彼の頑張りが伝わりますし,いきなり回想シーンが挿入されるのは唐突に感じました.
さらに言うと,回想シーンはコマの枠を変えるなどして変化を付けた方が,読者に伝わりやすいです.
藤木先生の魅力のひとつに,ストーリーとは関係ない小ネタを盛り込んでくる点があります.
そういう小ネタがキャラの魅力を引き立てているんですよね.
今回で言えば,233ページ左の「意外に和風」な女の子.4コマ目のセリフでちょっと和むのがいい感じです.
こういう小ネタは大人数の”ワイガヤ”の中でこそ効果を発揮するので,藤木先生の作品が連載されたらどんどん新しいキャラを出してきて欲しいですね!
藤木先生の描くワイガヤは本当に面白いのですから!
イラストについては,キャラクターに動きがあってさすがは藤木先生だと感じました.
4コマ作品の中にはキャラに動きがあまりなかったり,同じアングルばかりの作品もありますが,本作では様々なアングルの描写があって飽きなかったです.4コマではあまり描かれない,キャラの足を多く描いていらっしゃるのが高評価です.(強いて言えば,足のつま先まで描いて頂きたかったところ.)
4コマ漫画で軽視されがちな背景描写ですが,本作では少しムラがあるように感じました.
後半の図書室のシーンなどでは背景が描き込まれていて良かったです.238ページ右3コマ目の下駄箱,その次の校舎をバックにしたコマでは,背景によって物語の流れを感じることができました.
一方,前半のシーンでは背景が白いコマが目立っていました.意図的に白くしているコマもあるでしょうが,白い部分が多いとどうしても手抜き感が出てしまいます.
また,全体的に4コマの枠に固執しているかなと感じました.
前述の回想シーンについてもそうですが,同じ形,サイズのコマに固執することはないと思います.
本作では,コマの中に全てが収まりすぎているようにも感じます.
一部のセリフやオノマトペはコマ外に飛び出していますが,もっと絵やセリフがコマをぶち抜いていいと思うのです.
例えば226ページ右4コマ目の志藤君の左手はコマ枠を飛び出して描いてもいいし,237ページ右3コマ目の桂木さんは上下のコマの隙間を埋めて描くとよりグッときそうです.
最後に,サブタイトルについて.
サブタイトルは作者のセンスが特に反映されると私は思っています.
人気4コマ漫画家のむんこ先生や重野なおき先生は,サブタイトルの付け方が本当にお上手で,2段落ちとしても活用しています.
透視・ミーツ・ガール!でもサブタイトルに注目してみましたが,これはすごくセンスがあると感じました.
特に『「うすうす」しかわかってない』というサブタイトルにはゾクッとしました.
…ああ,好き放題書いてしまいました.
自分の書いた文を読み返してみると,なんか”通”ぶっててやだなぁって感じです.
しかし,こんなにガッツリ感想を書いたのは初めてです.
今回の透視・ミーツ・ガール!を読んで,藤木先生はやはり4コマ漫画の才能もある方なんだと確信できました.
先生が今後も4コマ漫画を描かれるのかは分かりませんが,藤木先生の作品が連載されるのを心より応援いたします.
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