No.126 私を球場に連れてって! うみのとも/スーパーまさら(原作)/4巻(完結)/KR

 プロ野球ファン必読4コマ.野球知識のない主人公のタマが,地元球団キャッツの熱狂的なファンであるレオナと金満球団ファルコンズのファンである春子に巻き込まれ,プロ野球の応援の楽しさに引き込まれていきます.画像を見て分かる通りキャッツは西武ライオンズがモデルであり,作中にはプロ野球ファンならニヤリとする小ネタがたくさんありますが,野球を知らない人も問題なく楽しめるようになっています.作中ではキャッツはあまり強くないチームとして描かれていましたが,本作が連載されてからライオンズは2年連続リーグ優勝しています!(なお


No.127 クマとたぬき 帆/2巻(完結)/MF

 森の中で暮らす,とっても仲良しなクマとたぬきのお話です.おっとりな性格のクマさんと明るい性格のたぬきが元気に遊ぶ様子を描きながら,お互いを大切に思っているのがひしひしと伝わってきて,心があったか~くなります.最終話「二人の絆と再会」はちょっとハラハラする展開もあるのですが,最後は嬉しさが溢れてくる感動エピソードなのです.この作者さん,絶対動物大好きだよね!


No.128 花丸町の花むすび むんこ/3巻(連載中)/タイム

 「この町でいろんな縁がむすばれる!」このキャッチコピーがまさに本作を端的に表しています.年の離れた兄妹が引越し先の花丸町でおにぎり屋の花子さんと出会い,そこからいろんな縁が生まれていきます.兄の衛は花子とよくケンカする仲ですが,次第に恋心を抱くようになります.衛が花子の腹を探ろうとする「幼稚で大人な会話」はむんこ節が炸裂する見事な一本です.一方,妹の彗にも初恋が芽生え... 実は登場人物たちは複雑な家庭事情を抱えているけれど,この町には愛と笑顔が溢れています.


No.129 Creepy Cat 猫と私の奇妙な生活 コットン バレント/4巻(完結)/ツイ4

 いつの間にか引き込まれてゆく...不思議なゴシック系4コマです.ストーリーは,古い屋敷を譲り受けた主人公フローラが,正体不明のネコ「クリーピーキャット」に出会い,摩訶不思議な日常を繰り広げる...というものです.表紙からホラー要素を強く感じますが,思ったほど怖くはないです.むしろキャラクター達のかわいさの方が勝ります.クリーピーキャットは図太かわいいし,フローラはたまに見せる笑顔がかわいいし,フローラに片思い中の警察官は不憫かわいい.作者はタイ在住のイラストレーターだそうです.確かに絵本のような作品ですね.


No.130 ギャル医者あやっぺ 長イキアキヒコ/3巻(連載中)/竹書房

 今の時代,医者だって黒ギャルっしょ!常に『うえええええい!!』なテンションで,陽キャ全開!病気も全快!お医者さん4コマだからって,難しい話は一切ありません.ひたすらにギャグ!ギャグ!バカバカしいほどのギャグ!何度もなんども噴き出して笑っちゃいます.特に『やべえ 医療ミスった ~~!!』の破壊力よ.作者のギャグセンスにマジご脱帽~!今の御時世,病気をネタにすると「不謹慎だ!」という声が上がりがちですが,本作の場合はあまりにバカバカしいのでそんな苦情も来ないはず(?)


No.131 ななかさんの印税生活入門 kashmir/3巻(完結)/KR

 中学生のななかの夢は、ラノベ作家になって印税生活を送ること。そのためにWeb小説を書いて腕を磨いているのです。作品の序盤は「こんな異世界転生は嫌だ」的なギャグや、創作者のあるあるネタがメインでした。しかし中盤以降はストーリーの良さがぐっと増してきます。投稿サイトの人気作家が同じ中学にいることが判明し、これまでひとりで執筆してきたななかにライバルができたり。文芸部を立ち上げて新しい部員が増えたり。大切な仲間と夢を追う、紛うことなき青春物語です。ちなみにですが、初対面で「ラノベはゴミ」と口走った純文学少女はインパクトがありました。


No.132 事故物件より愛をこめて 魔神ぐり子/1巻(完結)/ぶんか社

 とある事故物件に引っ越してきたのは、どこか無気力なフリーター。彼が新居に引っ越した初日、部屋で遭遇したのは、初老のおっさんの幽霊!彼は幽霊から「成仏したいから手伝いをしてほしい」と頼まれます。さらにこの幽霊の他にも、主人公は成仏できない幽霊たちから厄介ごとを頼まれるハメになるわけです。本作のような幽霊を取り扱った4コマ作品は少なくないのですが、本作ではしんみり系の話もありつつ、笑いの方に重点が置かれているように感じます。表紙のメインキャラが画面映えしない男二人というのが、本作の特徴をよく表しています。


No.133 4人はそれぞれウソをつく 橿原まどか/3巻(完結)/講談社

 女子校に通う4人組は、それぞれ他人には言えない秘密を隠していました。宇宙人・抜け忍・サイキッカー・女装男子。中でもとりわけヤバい存在が、宇宙人のリッカ。戦争中に地球に不時着した軍人で、周りの人間の記憶を操作して学校に紛れているのです。そして、その秘密に気がついているのがサイキッカーの関根。彼女は人の心を読むことができるのですが、事を荒らげないために知らないふりをしています。関根の存在によってドタバタ劇がより面白くなっていると思います。こういう斬新な設定の4コマが出てくるのは嬉しいですね。


No.134 春と秋と奏ちゃんと。 むんこ/2巻(完結)/竹書房

 同棲中のハル(芸術家)とアキト(サラリーマン)が、突然上司の娘(12)を預かることに。この子の名前は奏。幼い頃に母を失い、現在は中学校にも行かず引きこもっている。その原因は、自分の絵を周りから気味悪がられたことでした。奏は、自分と同じく対人恐怖症であり、芸術家でもあるハルに心を開くようになり…というストーリーです。前作「春と秋について」の続編にあたります。前作は女性向けであり、むんこ作品の中ではあまり好みではなかったのですが、本作はガッツリハマりました。終盤はニヤニヤが止まらないぜ!


No.135 まれなひと 白湯白かばん/1巻(連載中)/エンターブレイン

 「もしこの世界が〇〇だったら」「もし〇〇な人がいたら」

 この世の常識を捨て払った作者が描く境地なのか?ちょっとおかしな人たちが、さも当然のように存在している世界の4コマ漫画です。これまでにいくつかあるシュール系ギャグ漫画の中でも、既存の作品とはまた違ったテイストの作品です。この手の作品は、言葉で説明しようとしても面白さがうまく伝わりません。まず試し読みしてみるに限ります。私も試し読みで気に入ったので購入しましたからね!


No.136 父と子 あさやみのる/1巻(連載中)/MF

 純粋無垢な男の子はーちゃんと、寡黙で優しいおとうさんとの日常を描いた作品です。はーちゃんがもう本当に健気でかわいくって、読んでいる間は頬が緩みっぱなしでした。なんて平和で優しい世界なんだ…!1本1本のネタが独立している形式で、新聞4コマのような作品ですね。この4コマが載ってる新聞なら購読したい。ちなみにこの作品はTwitterで人気を博して単行本化されました。気になる人は作者のアカウントをチェックです!


No.137 恋がわからぬ大人共 赤のキノコ/1巻(連載中)/双葉社

 ゲームで知り合ったマッスー(27♂)とジャジャ(28♀)。いい歳なのにふたりは恋愛未経験。そんなふたりがマッスーからの告白でお付き合いを始め、ピュアピュアな恋路を牛歩で進んでいくお話です。この作品、絵柄がものすごく自分好みで、気になっていたんですよ。デフォルメが効いていて読みやすい。これって非常に大事なことですよ。「大人なのにウブすぎる」という設定は珍しくないものですが、やっぱりこういうラブコメは需要があるんです。本作を読むと甘かったり辛かったりする思い出が蘇ってきて、そのたびに私は手を止めていました。


No.138 契約しましょ 橋本ライドン/2巻(完結)/MF

 ブラック企業勤めの良子は、美女のアデルと一緒に暮らし始めました。アデルの正体は悪魔。人間の願いを叶える代わりに魂を奪う存在です。ところが良子が口にした願いがあまりにも小さく、庇護欲を掻き立てられたアデルは世話焼きお姉さんっぷりを発揮し、良子のアパートに住み着いて家事を完璧にこなし始めたのです。毎日仕事でお疲れの読者には、とても癒やされる作品です。アデルさんにお世話してもらえる良子が羨ましい。ただ癒やされるだけでなく、ちょっぴりダークなお話もあり、それが良いスパイスになっています。


No.139 犯人は私だけが知っている~母たちは静観する~ ゆむい/1巻(完結)/KADOKAWA

 同じ幼稚園に通う4人の子供たちが他人の車を傷つけてしまった。母親たちは連帯責任で車の持ち主に弁償しようとしますが、ひとりの母親は犯人を名指しして、その家族に責任を押し付けようとし、そこから4人のママ友の間に深い溝ができていきます。ただ、本当の犯人は誰も知らなくて… 事件をきっかけに、ママ友たちの交友関係が壊れていく過程にはゾクゾクするほど引き込まれました。さらに、「事件の真犯人は誰か?」というミステリー要素も大変面白いです。


No.140 妹・サブスクリプション 橋本ライドン/1巻(完結)/講談社

 妹と二人で暮らしているOLのみゆき。妹のことを何よりも大切に想っているみゆき。しかし、その妹は本物の人間ではありません。みゆきは本物の妹を失っており、その悲しみを埋めるため、故人そっくりの人間を造るサービスを利用しているのです。しかし、このサービスは『生命への冒涜』という社会的な批判もあり、みゆきは「妹」を決して外に出さないようにしていたのですが… 近未来SFな社会派4コマ、その結末をぜひご覧いただきたいです。