光の大社員

作者:ÖYSTER

巻数:5巻(完結)

出版社:双葉社

掲載誌:まんがタウン

発売日:2007/11/12~2013/11/12

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内容

 オモチャ会社「アルクメ」に入社した熱血系主人公の輝戸光.彼の目標は大社員になることです.お決まりのセリフは,「この輝戸光!! 社員の中において最も光り輝く大社員になってみせるぞ!!」.大社員とは一体どんな社員なのか?そして輝戸光は大社員になれるのか?本作は,そんな疑問やストーリーが全く展開されないギャグ一筋の作品です.

  輝戸光の周りの社員達は,皆非常にクセのある人ばかりです.クールでキザな男を演じきれない「伊達勲」,中身が子どもすぎる「社長」,忍者な係長としか説明できない「忍者係長」などなど.商品開発や会議,居酒屋での一杯など,会社員の日常的なシーンで,彼らのちょっとおかしな日常が繰り広げられます.

 また,本作は最近ではあまり見られなくなった,4コマ1本がそれぞれ独立した形式の4コマ漫画らしい4コマ漫画です.

雑感

 作者のÖYSTER先生は,「鬼才」という言葉がピッタリくる方だと思います.そんなÖYSTER先生が描くギャグ作品ということで,本作の魅力を表現するのはとても難しいです.ただ間違いなく言えることは,笑いにかけては最高クラスの作品であるということです.

 ÖYSTER先生の鬼才っぷりは,本作のギャグに詰め込まれています.本作のギャグは漫才型のギャグではなくシュールなギャグなのですが,シュールギャグには珍しく勢いのあるスタイルです.また,非日常的で突飛なネタが多いはずなのに,不思議と現実との違和感を感じさせません.上手く説明できないけれど,読めば爆笑必至のネタの数々.こうした笑いを生み出せるのはÖYSTER先生しかいないでしょう.各本独立でオチがしっかりしているスタンダードな4コマ作品でありながら,ÖYSTER先生ならではの独自性によって新しい4コマ作品であると感じさせます.

 本作のキャラの顔ですが,初期を除けば非常に安定しています.さらに女性のイラストは巻を重ねるごとに可愛さが増していると思います.

小ネタ

 最終巻のカバー裏に,「光の大社員」のあるキャラクターと「男爵校長」のあるキャラクターの意外な関係が描かれています.この設定を知った上で両作品を読み返すと,面白い発見があるでしょう.

私が選ぶ

ザ・ベスト

2巻82ページ右「私は今まで石原副部長」

勢いとシュールなギャグが持ち味の本作ですが,このネタは思わず唸ってしまう深いネタです.サラリーマン川柳に使えないものでしょうか.

同作者の作品

男爵校長(双葉社)