念願叶って幼稚園教諭になった松延先生．彼が初めて受け持つクラスで出会ったのは，思い出の幼馴染みにそっくりの千景ちゃん．しかも，千景ちゃんはその幼馴染みと同じように，松延先生のことを「まつのべ」と呼び捨てにするのです．実はこの幼馴染みとは，今をときめく人気女優の大園皇香なのです．しかし，彼女は小学生の時に引っ越してしまったため，会いたくても会えない存在になっていました．

　ところがある日，松延先生は大園皇香と偶然再会します．それから二人は内緒で会うようになり，松延先生はすっかり舞い上がってしまいます．しかしそんな矢先，大園皇香の口からショッキングなひと言が飛び出して...

　様々な思いが交錯し，驚きの展開へと繋がっていく…　本作はまさにドラマティックな作品です．

　「やられた～！」

　本作のラストを読んで私が抱いた感想です．

　秋吉先生といえば，ストーリー4コマを得意とする漫画家さんです．そんな先生の作品の中でも，特にこの「まつのべっ！」のストーリーは秀逸です．私は最後まで，この作品の結末を予想できませんでした．この衝撃と感動は忘れられません．

　大園皇香のあるひと言がきっかけで揺れ動く人間関係は，本作の見どころです．実はこのひと言こそ，物語の核心に迫るヒントだったのですが...　本作を読み返すと，これ以外にも至る所に伏線が張られていることに驚きます．あと，松延先生の先輩である順先生の存在も大きいです．順先生に感情移入してしまう読者も多いのではないでしょうか？

　単行本は上・下巻が同時発売されていますが，1冊のページ数は通常の4コマ漫画の約2倍です（つまり4巻分のボリューム）．それでも，この作品は一気に読んでもらいたいです．そして最後は私のように，やられちゃってください！

私が選ぶ

ザ・ベスト

2巻230ページ「！」

本作最大の見せ場であり，私がやられちゃったシーンです．