だから美代子です

作者:むんこ

巻数:4巻(完結)

出版社:竹書房

掲載誌:まんがライフオリジナル

発売日:2013/11/7~2017/11/27

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内容

 若くして未亡人となった美代子が,じじばば(義父,義母)と3人で楽しく過ごす毎日を描いたコメディー作品です.

 主人公の美代子は,なぜかいつも「みょー子さん」と呼ばれています.美代子はその度に「みょー子じゃないです 美代子です」と返事をするのです.

 美代子は最愛のダーリンを失くし,以前より同居していたじじばばと3人で生活を送っています.3人の日常は,とにかく楽しさで溢れています.3人の性格は,無邪気な子供そのもの.元気に遊び回ったり,お菓子を取り合ったり,3人はいつもハイテンションです.

 そんな3人に影響されて,お隣の林田さんも少しずつ染まっていきます.最近では美代子たち以上におかしな人になってきました...

 笑顔の絶えない美代子たちの一家ですが,これは死んだ美代子のダーリンが望んだことでもありました.本作は,いっぱい笑って,ちょっぴり切ない作品です.

雑感

 むんこ先生の作品といえば,ギャグをメインにしながらもシリアスな部分をしっかり描いています.本作も,美代子がダーリンを失くしたというシリアスな設定です.しかし実際には,シリアスなど全く感じさせない話がほとんどです.私は本作を読んでいて,いつものむんこ先生らしくないと言いますか,新境地を開拓しているように感じました.いつも笑顔でいる主人公という設定が,これまでむんこ先生が描いてこられたどの作品とも違っています.しかし面白さはもちろん折り紙付きです!

 むんこ先生の作風として,セリフが少ないことが特徴です.イラストで読者に伝えることを重点にしているようです.中でも本作は特にその作風が生かされていると思います.数えたわけではありませんが,セリフがあるコマよりセリフがないコマの方が多い気がします.最小限のセリフで笑いを取る手腕は,ぜひ他の漫画家さんも参考にして欲しいところです.

小ネタ

 「だから美代子です」を思いついた最初のアイディアは,むんこ先生が大ファンである「TIGER & BUNNY」がきっかけだそうです.

小ネタ2

 お隣の林田さんは,31歳で「おニャン子世代」です.おニャン子クラブは1985~1987年のアイドルグループなので,本作の舞台は西暦2000年くらいでしょうか?実際に作中で登場するのは「おニャン子クラブ」ではなく「ネコっ子クラブ」という架空のアイドルグループなので,細かく考える必要はないかもしれませんが.

 なお,作中に登場する会員NO.111の福沢美里は,おニャン子クラブの会員番号11番の福永恵規がモデルと思われます.

小ネタ3

 1巻のじじばばのセリフ「引けー 力の限り引けー 根性見せてみろー」は,劇場版うる星やつらの第2作に出てくるセリフが元ネタです.なお,むんこ先生は「らいか・デイズ」17巻でも「こげー 力の限りこげー」というセリフを使っています.

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